森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・#044【玄圃梨/ケンポナシ

    クロウメモドキ科ケンポナシ属・広葉樹・東北産 学名 Hovenia dulcis

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ日本全国の低地や野に分布している落葉高木なのですが、いまひとつ知名度が高くないのは分布量が比較的少ないという事と、その特徴や見た目がケヤキタモクリといったメジャーな木と似ていることから、その代用品として扱われる事が多いためかもしれません。成長すると高さ17m、直径が1m近くなるほど立派なものもあるそうで、良質なものはクワの代用として高級装飾家具や指物にも使われますが、杢目の優れた大径木は減少しており次第にレアな木になりつつあります。

 

この木を紹介するにあたって、まずはその変わった名前のルーツについてご紹介したいと思います。漢名では「枳椇」と表されますが。学名のHovenia dulcisのうち属名のHoveniaは、日本にも住んだことのあるオランダの宣教師ホフェンHoven)の名前にちなでいます。 種名のulcisは「甘味のある」という意味ですが、実には甘味があって民話などの中にもこの実を拾って食べたという話があります。古名の『ケムノキ』は、実を噛んで味わったカムノキ(噛むの木)の転訛。

 

「甘味の木」が転じて「カミノキ」→「カムノキ」→「ケムノキ」となったという説もありますが、では次にケンポナシの名前の由来について。愛媛県では、地域ケンプナシ、ケンポ、テンプナシ、テンポノキ、トデなどとも呼ばれますが一般的にはケンポナシ。全国的にみるとケンポコナシ、ケンポガナシ、ケンポノナシ、ケンプ、テンポナシ、テンボナシ、テンポガナシ、テンポウナシ、テンポコナシ、テンポコ、テンガポウなどケンポ系とテンポ系の2系統があるようです。

 

原型は「テンポナシ」で、それが訛ってケンポナシになったといわれていますが、その「テンポ」とは「手棒」という意味で、「手棒」とは手に持った棒、棒状の腫れぼったい手の事を示していて、実の形がそのように見えることから名付けられたと言われています。またケンポナシの実の事を漢名では『癩漢指頭らいかんしとう』と呼ぶそうですが、これは肥厚したケンポナシの実が、癩(らい)病患者の手のように膨れ上がっているところから命名されたそうです。明日に続く。




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