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本日もキリの話の続編ですが、日本で一番軽い素材という特徴に立ち返ってキリの出口を考えた時に、あるひらめきが!ただし少々味付けに時間と手間がかかるので、まだこのブログではお知らせできません。材の出口を考えるときに煮詰まると、原点に返って先人たちが引き出して使ってきた材の特徴に立ち戻って考えるに限ります。その中から、今風に少しアレンジさせて物語が盛れるものがないのかを考えること。キリの新商品については、完成後改めてご報告させていただきます。
ところで、私はリアル生物を触るのは大の苦手ながら、観察することには大いに興味があります。特に昆虫は沢山の種類があって、虫に関わらず同属の多様な種類を集めたくなる『種類コレクター』にとってはとても魅力的な素材なのです。自分で作るのは得意ではありませんでしたが、虫の標本には強く心を惹かれました。まあいわば【森のかけら】も同じような系譜に連なると思います。さて、そんな私の中で、「観るだけの虫」について覚醒させたのはある一冊の漫画。
それが手塚治虫先生の『ミクロイドS』。綺羅星の如くヒット作のある手塚作品の中においては決してメジャーな作品ではないと思いますが、私は大好きでこれで(リアルでない)虫にはまりました。ちょうど雑誌に掲載されたものをリアルタイムで読んでいた世代(1973年少年チャンピオン連載)なので思いも強いのですが、長期連載が多い手塚作品としては単行本3巻にまとめられた中編で、個人的はもっと連載を続けて欲しかったので、子供心に残念だった記憶があります。
内容は、蟻が異常進化した種族「ギドロン」が人間に牙を向くのですが、人間の赤ん坊をさらってきてミクロ化人間として改造されギドロンの奴隷として育てられた種族「ミクロイド」の中の心ある3人が、人類の未来を救うために理解ある人間と協力してギドロンと戦うというもの。後に手塚自身の手によってアニメ化もされましたが、かなり残酷描写や自然破壊に対する強い警告もあるメッセージ性の高い漫画に比べて、アニメはかなり甘ったるい味付けになっていてガッカリ。
漫画の方が圧倒的に面白くテーマも深いのですが、40数年前に自然界からの報復を描き、それは今読み返してみてもまったく色褪せるどころか、ますますその危機は現実的になりつつあるのですからさすが巨匠の慧眼!この中で、人間側に味方するヤンマを追うのは、ギドロン側についた実兄のジガー。そのジガーを助けるべくギドロン側から5人(匹)の刺客がお供するのですが、そういうシチュエーションが大好きで、そのあたりにきっと【森のかけら】の原点があったのかと。
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