森のかけら | 大五木材


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娘たちの勧めで、評判のバームクーヘンをいただきました。ふわふわでやわらでしっとりしていて甘さ控えめで、噂にたがわぬ美味!お店で買うバームクーヘンってもっと硬いのですが、焼き立てはこんなにやわらかいのかと驚きました。ラ・コリーナ近江八幡では、間近で職人さんがバームクーヘンを製造している工程を見る事が出来ます。売店の傍のガラス張りのスペースで作業されていますが、(余計な心配でしょうが)大勢のお客さんの好奇の目に晒されて中で作業するスタッフの方、かなりストレスが溜まりそう・・・

ところで、材木屋として気になるのはバームクーヘンの味そのものよりも、その語源や木との関わりについて。まずバームクーヘンという名前がドイツ語Baumkuchen/樹のお菓子)で、見た目が木の年輪に見える事からその名が付いたぐらいの知識しかありませんでした。専門店で買うバームクーヘンは綺麗で均質な層が出来上がっていて文字通り『年輪のケーキ』のように見えますが、自分で作るとなると超難しくて、昔、愛媛大学の樹木博士の講義で手作りバームクーヘンの体験をしましたが、もの凄いいびつな層でとても健全な樹の年輪には見えないモノになりました。

発祥の地がドイツという事ですが、ドイツの木といえば思い浮かぶのが、『黒い森』。ドイツ語だとシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald。植林されたモミ(樅)など針葉樹林が密生して生い茂り、夏でも暗く、遠くから見ると黒く見える事からその名がつきました。実際に行ったことはないのですが、その黒い森から産出されたドイツモミを使った事があったので、ドイツ、樹、といえば「黒い森」が連想されます。それでいろいろドイツとバームクーヘンの事について調べていたら、日本で初めてバームクーヘンを作って売り出された老舗の㈱ユーハイムさんのHPで気になる話を見つけました。

それはバームクーヘンの名前の由来についてですが、定説とされている前述の由来のほかにもうひとつこういう説もあるというご紹介。それはバームクーヘンを焼くときに使う芯棒に木の棒を使ったいたからではないかというもの。古来からドイツではカシ(樫)は特別な木で、「堅牢さ、強さのシンボル」であり、ドイツの森のシンボルでもあったというもの。という事は、そもそもカシの木の芯棒を使ったいたことから、木で作るお菓子としてバームクーヘンという名前になったのではという説。そこで気になるのは、その説が正しいかどうかよりも、芯棒の木がカシなのかどうか?

英語が日本に伝わった時に、オーク(Oak)を誤ってナラ(楢)ではなくてカシ(樫)と訳してしまったために、その後いろいろな文献でナラとカシの取り間違いが起きてしまっているのは有名な話。そもそも英語のOakという単語には、常緑性のカシと、落葉性のナラの区別も無く、ヨーロッパの人もその区別にはこだわらないとか、アルプス以北のOakは落葉性のナラであるなどの話もあって、ヨーロッパに行った事が無い私には正直よく分からないのですが・・・置いてあった芯棒も焦げていて何の木かよく分かりませんでしたが、こういう『美味しい木の出口』もいいなあ♪




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