森のかけら | 大五木材


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その道の方には有名な話のようですが、ラ・コリーナ近江八幡を運営する『たねやグループ』さんのご先祖は材木商だったそうです。初代は近江八幡で江戸時代頃に材木商をされていて、かなり儲けられたらしいのですが、儲かりすぎて遊びほうけて全財産を失くしてしまい、そこで鞍替えして穀物や根菜類の種子をうる仕事を始まられました。その後、明治になって菓子屋に転じられて今の仕事の基礎が固まったと、山本昌仁社長の著書に書かれていました。私は著書を読んで初めて知りましたが、まさか先祖が材木商だったとは・・・。

材木商だったからというわけではないのでしょうが、ラ・コリーナではいくつか『木で出来た気になるモノ』がありまして、そのひとつがメインショップの壁面にずらりと飾られた木型。その昔は、砂糖を水に溶いて木型に流し込んで固めた砂糖菓子などを作るのに必要だったもの。私が子供の頃は、『めで鯛』ということで鯛の姿をかたどった和菓子をよく見かけたものです。さすがに今ではほとんど使われる事がなくなったので、装飾として展示されているのだそうですが、これだけズラリと揃うとまるで美術工芸品のよう!

どれもが経年変化で黒ずんでいて、実際に使われていたのだと思いますが、そのデザインは素晴らしくずっと眺めていたいほど。実は今でもたまに京都などから菓子の木型に使いたいのだけど、ヤマザクラの材は無いかという問い合わせが入ることがあります。なかなか取引にまで至る事は少ないのですが(今どきですからあちこちから相見積もりを取られているのだと思います)、今でもそういう需要もあって、やはりそこで使われているのは摩耗性が高く滑らかで彫りにも適したヤマザクラ(山』のようです。

私は実際に木型を使って菓子を作った事もありませんので、ヤマザクラがどれぐらいこういう適性があるのか本当のところは分かりませんが、昔から木型と言えば桜と言われているぐらいですから、先人たちが長い経験の中で桜がもっとも適性があると見出したんだと思います。ここに展示してある木型が何の木なのか、近づいてみたのですがサクラっぽくも見えるのですが、全部が全部そうなのかは判断できませんでした。昔であればもしかしたら入手しやすい里山の広葉樹あたりを使われたのかもしれません。

海外では美術品としても人気があるということですが、日本人にだってこういうものに目が無い好事家は多いと思います。木型に限らず昔の職人さんが使っていた道具って、実に緻密で精巧に出来ていて、その割に構造がシンプルで修理しやすくなったりと驚くほど機能的だったりします。特に木の道具って時間が経てば経つほどに味わいや趣きが生まれて来て、いい感じになってきます。これが貼りものだったらこういう味わいは出ていないでしょう。やっぱり本物って時間が経ってもしっかり残ります。




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