森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

全画面キャプチャ 20131013 134534.bmp 「森のかけら」などの商品の場合、県外や世界へ売る事に何の抵抗もないどころかむしろ積極的に進めているのですが、無垢材の家具や内装材、造作材などについては、遠くに送り出すことに少しの不安もあります。いくら乾燥や加工に気を配っていても、わずかな環境の変化や取り扱いの油断で反りや歪みが発生する事は避けられません。特に大物になるとわずかなそれが命取りになる事もあるので、遠方へ送る場合はついつい過剰に心配してしまいます。

 

全画面キャプチャ 20131013 140514.bmp近くであれば直接行くことも出来るのですが、遠方になれば現場の方にお任せするしかないので、いつも一抹の不安を抱きながら送り出すことになるのですが、それは受け取る現場の方とて同じ事でしょう。それなりの覚悟を持ったうえで、あえて遠方からわざわざ特殊材のご注文をいただくという事ですから、非常にありがたく感じるのと同時に強く責任も感じます。先日もご縁があって東京の銀座の店舗のL型カウンターを作らせていただく事になりました。

 

 

全画面キャプチャ 20131013 133930.bmp素材はアフリカ産のブビンガ。困った時はブビンガで、相当このブビンガには助けてもらいましたが、いよいよブビンガも底が見えてきました。今回は長さが3100X450と2100X450の2枚がL型に繋がるカウンターで、ブビンガ以外の材でも対応は可能でしたが、店内の雰囲気などから美しい赤味の杢を持つブビンガが選ばれました。相当乾燥は進んでいるものの、遠方の事ですから念には念を入れて裏側から6箇所T型プレーとで反り止め加工を施しました。

 

全画面キャプチャ 20131013 134551.bmpL型の接合部分はボルトを入れて完成。この後、塗装屋さんが塗装して東京に送られます。今回はここまでが弊社の仕事で、現地での仕上がった様子は見ることは出来ませんが、是非完成の暁には、東京出張の際にお店に立ち寄って、こっそりとその姿を見てこようと思います。子供の旅立ちに例えるのは大袈裟ですが、弊社から全国へ旅立って行ったいろいろな木材たち、反ったり暴れたりせずに施主さんに可愛がっていただいているだろうかと親馬鹿は思いは尽きまじ秋の空・・・。




全画面キャプチャ 20131013 130158.bmp数年前より細々と集材して仕込んでおいた愛媛県産の広葉樹が、そろそろ出番を迎えようとしています。人工乾燥機にかけずに天然乾燥にこだわりましたので、相当に時間はかかったものの木本来の艶や光沢がしっかり楽しめます。本日も愛媛県久万高原町産のオニグルミの仕分け作業をしました。決して大きな木ではありませんが、妙なもので地元の広葉樹というだけで何だか心がウキウキした気持ちになってくるのはなぜでしょうか。

 

 

全画面キャプチャ 20131013 130153.bmpこれを1枚ずつ長さや巾、厚みなどを採寸し、節や割れの有無などのコンディションを検品して値段をつけていきます。今までは主に、北海道産や中国産のオニグルミを扱ってきましたが、地元で原木から乾燥を経て、自ら仕分けて寸法取りして品番と値付けをするのは特別な感覚です。鬼皮がついたまま製材しましたので、自分たちの手で堅い鬼皮を剥いで虫の被害にも備えました。しかし中には既に白太に虫の穿孔痕があるものも・・・。これも甘い果実のなる木の宿命です。

 

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今まで使ってきたクルミ材の多くが人工乾燥材だったので、それに比べると天然乾燥のものは同じくすんだ茶褐色でも、しっとりした雰囲気があります。オニグルミの気乾比重は0.53で、同種のブラック・ウォールナットに比べるとずっと軽く軟らかいのが特徴で、弊社での用途としては主にカウンターやテーブルなどの家具材に限られていました。クルミの耳はくどさもない割りに広葉樹らしさを楽しめるので、白太と心材の色味のコントラストのメリハリもあって、耳使いの指定が多いのも特徴です。

 

全画面キャプチャ 20131013 130052.bmp色の濃淡差が激しいと白身が混ざるのを嫌う傾向がありますが、あえて混在した使い方、見せ方をするのもクルミの場合は有りだと思います。特に県産材のクルミの場合、巾が狭いので幅剥ぎでの使用は必至です。ちょっと粗めのオニグルミの手触りも、無垢材を実感できます。癖や狂いの少ない素材で、虫の影響を受けやすい事から、小さな虫穴でも敬遠され着色塗装して使われる事もあるようですが、この柔らかい表情を楽しむにはクリア塗装こそがお勧め。小さな虫穴に恐れず、大胆にクルミを楽しんでいただければと思います。

 




20130923  1このブログでいろいろな商品の画像をアップしていると、すべて弊社の中で製作していると勘違いして、そんな変わった加工も出来るのならこれも加工してもらえませんか?などと言って、市内の方が特殊な加工の持ち込み依頼に来られることがあります。「森のかけら」をはじめ「森のりんご」や「森のたまご」、「木言葉書」や「森のしるし」、「モザイクボード」に至るまで、弊社のオリジナル商品については、最終加工はすべて外注で、自社で加工しているわけではありません。

 

20130923  2外注とはいっても、以前から付き合いが深く、阿吽の呼吸で仕事をお願いできる大切なパートナーの皆さん方ばかり。時々、外注するよりも補助金とか使って自社で機械買って作った方がいいのに、とご助言いただく事がありますが、私は「所詮餅は餅屋」だと考えていますので、そのような身の丈を越えた事に手を出すつもりはありません。そもそも自社工場を作りたいのではなく、自分がプロデュースして、加工後術を持つ仲間と一緒になって商品を作りあげたいと考えています。

 

20130923  4若い頃はすべて自社で完結させる事を夢見た事もありましたが、仲間と一緒にものづくりをする快感を覚えてからは、自社だけでこの楽しさを完結させてしまってはモッタイナイ!の境地に。まあ綺麗ごとだけでなく、経済的理由から考えても、数百万(数千万)もの大型特殊機械を今更導入して、それをペイする自信もありませんし、そのために仕事に追われるのも本意ではありません。私の中のアイデアの泉は小さく底も浅いので、心が窮して深刻になってしまうとすぐに枯れてしまうのです。

 

20130923  3身の程を知り、派手な事をせず、ほどほどの暮らしが営めれば充分。心の泉まで枯らしてこの仕事を続けようとは考えていません。自分で考えたものが少しずつでも世間で認知され、ひとりでもふたりでもそれを愛用していただける人が増えればそれに勝る喜びなし!長く続けているといろいろな事が起こり、いろいろな人と出会い、いろいろな所へ連れて行ってもらえます。10月8日から大阪のなんばグランド花月ビルで開催されている「よしもと47ご当地市場」に1週間だけ出展させていただく事に。

 

20130923  5以前にご紹介した、なんばグランド花月の看板を全国の伝統工芸で飾るという趣旨のイベントで選ばれた愛媛県代表の菊間瓦(小泉信三さん)の順番に合わせての愛媛+今治の物産展で、メインは今治のゆるキャラ・バリィさんですが、コーナーの末席に少しだけ木のモノも並べていただくことになりました。この夏に行った時には旭川の鮮やかな木工が看板を飾っていましたが、是非小泉さんの菊間瓦の看板も直接は意見したいものです。今回は商品の委託販売だけで、直接会場に行くことはないのですが、ビッグサイトのイベントなどにチーム愛媛のメンバーとして参加したりすると、業種はさまざまでも「地域」という事を強く意識するようになります。普段「愛媛」を意識する事は少ないのですが、外から仲間と一緒に地元を見つめる事で、愛媛の輪郭が鮮明に浮き上がってきます。そういう機会がますます増えそうな10月になりそうです!




すっかり遅くなってしまったのですが、9月の『誕生木(たんじょうもく)の出口がようやく完成しました。これはあくまでもその月ごとの誕生木の身近な用途のご提案の1つです。9月の誕生木である朴(ホオ)は、5~6月頃に枝先に黄白色の大形の花を上向きに咲かせ、9月から11月頃に紅紫色に熟します。ホオの季語は、花が夏で実や落葉が秋です。そんなホオの身近な出口として、パンやケーキなどを切る時に使う手頃なサイズのカッティングボードを作りました。

ホオは、水にもよく耐え、刃物を傷めない事からはまな板の素材としても知られています。匂いもほとんどない事から食材に余計な匂いをつける事もありません。また刃こぼれしないのもホオの特徴です。現在弊社には、テーブルサイズの大きなホオ以外にも、愛媛県産の小ぶりなサイズの耳付きのホオもあります。それこそ、以前紹介した『愛媛県の小さな広葉樹収集』の成果のひとつです。デザインしていただいたのは、前日紹介させていただいたジュネ・スタジオの佐伯勇樹さん

今までにも樹種ごとの身近な出口を作る構想はあり、各樹種ごとの特徴を活かした『出口』の姿は漠然と見えていたものの、悲しいかなデザイン力がなくて具体的な形にする事が出来ていませんでした。それが佐伯さんと手を組んだ事で、今までのイメージがドンドン具体的な形として現れてきて嬉しい限りなのです!スタートが遅れましたが、今後は毎月の誕生木に合わせて、『身近な暮らしで使える誕生木の出口』を作っていこうと思っています。ではカッティングボードの詳細について。

素材は久万高原町産のホオで、サイズは(S)が長さ280mmX幅120mmX厚み18mm。(M)が長さ240mmX幅160mmX厚み18mm。(L)が長さ270mmX幅180mmX厚み18mmの3種類です。無理に県内で大きなホオを探すよりも、手に入るサイズの素材をなるべく無駄なく使うというのも森のめぐみを活かす1つの手段です。小さなサイズのものを作ったことで、幅の狭い材も無駄にすることなく利用できます。小さな節やカスリ、色ムラもありますが、それも森の履歴書です。

塗料はしていません。水気のあるものをカットした場合は、乾いた布でよく拭いて風通しのよいところで保管下さい。濡れたままの状態で長期間そのままにしておくとカビや染みの原因となります。決して大量生産を考えているわけではなく、ある材を活かすというのが前提です。誕生木の該当月が終わっても販売は継続していくつもりですので、『商品紹介・誕生木の出口コーナー』をご覧下さい。『誕生木・12の樹の物語』の解説書がセットになっています。




20130921 1以前から付き合いのあった設計士の佐伯勇樹さんが、独立して家具やクラフト雑貨などをデザイン・販売するお店を開かれる事になりました。場所は、愛媛県松山市の本町7丁目(国道196号線沿い)で、お店の名前は『JUNE STUDIO』(ジュネ スタジオ)。10月上旬のオープンを目指して現在大急ぎで準備中をされています。その佐伯さん、前の会社を辞められてからご無沙汰していたのですが、先日突然お電話をいただきショップの話を聞かせていただきました。

 

20130921 2以前から家具のデザインに興味があり、いつかこういう仕事を専門にしてみたかったという事で決断されたそうです。最近、私の身近なところで少し下の世代の方の中において、同様の動き(退社して独立)が多いのですが、40代前後あたりが転機のターニングポイントになるのでしょうか。親の跡を継いだ私としては、気持ちが分かるなんて言えば僭越ですが、決断後にそれぞれの方からお話を伺うと、結論を導き出すまでにはやはり皆さん相当の葛藤があったようです。

 

20130921 3佐伯さんは今後、自ら家具やクラフト雑貨などのデザインをして、店頭でも実際に製作した家具の販売をされていくという事です。この話、私にとっても願ったりかなったりのありがたいチャンスで、家具や建築などについてきちんとして基礎も無い私が、今までは何とか浅知恵で乗り越えてきたものの、新商品の開発などについては行き詰まりを感じていました。ザックリしたイメージは湧くものの、形に起こす技術・才能・センスが無く、理想と現実との乖離間に打ちひしがれる事もしばしばでした。

 

20130921 4それが佐伯さんの登場で一気に解決!今までの仕事を通じて、お互い感覚的な事は理解しあえていますし、佐伯さん自身も木が好きで、木にちなんだ名前を掲げられるほど(JUNE=樹根)なので、木という素材に対するスタンスもほぼ同じ。ねじれや曲がり、虫や割れ、節などに対する認識もほぼ同じベクトルなので、話が早い!早速コラボで商品開発の話が進んでおります。ショップオープンの頃までには、このブログでもコラボ商品をご紹介できると思います。

 

20130921 5以前に『誕生木の出口』について触れましたが、それについても佐伯さんの力を借りて毎月1商品のつもりで企画をしております。こちらも完成次第紹介させていただきます。まだJUNEさんの店内には家具がポツポツある程度ですが、オープンまでには店内に佐伯さんデザインの家具が所狭しと並ぶ予定だとか。弊社の商品も幾つかそこに置いていただく予定です。独立して晴れて一国一城の主となったわけですが、新たに漕ぎ出す小船の航海は、決して夢描いた自由奔放なものでも快適自在なものでもないでしょう。時に嵐の大波を受け、時に食料調達に苦しみ、時には遭難の憂き目にも遭う事でしょう。それでもそれが自分の選択した道である事で、以前よりもずっと素直に受け止められるのではないかと思います。誰かに必要だとされる存在だと思えた時、どんな過酷な状況にも耐えていけるものです。船長としての醍醐味をご堪能あれ!




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