森のかけら | 大五木材


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先日の岐阜の木材市場の競りで仕入れた材料が弊社に到着。前日にめぼしいものをチェックして、大阪の名栗屋・橘明夫君に『買いつなぎ』をお願いしていましたが、明夫君の奮闘もあって予定して以上の打率で希望の材を仕入れる事が出来ました。広い市場の土場で見れば小さく感じられた板も、改めて狭い弊社の倉庫で見てみればこれが結構な量!10トン車に満載された材を見た瞬間、これだけの材がどこに置けるのかという不安が募ってくるものの、そこは強く振り払う!

 

昨年まとめて仕入れた時にも、倉庫が一杯だったので、とりあえず空いているスペースに押し込んでおいて、後から寸検・番号付けすればいいと思っていたのですが、時間が経って仕入の明細書と合そうとしたらこれがなかなか合わない!競りの中には5本セット、10本セットのモノや、樹種混合のモノもあり、1本ごとに寸検してあるわけではないので、同じようなサイズの似たようなセットものを買ったりすると、どれがどれだか分からなくなる事もしばしば・・・。

 

市場で車に積む段階で、積み荷姿を考えて梱包を崩すこともあるので、入荷した直後の記憶の鮮明な時期に番号を付けておけばよかったのですが、そういう時に限って忙しかったり、どうせ番付するならついでに写真も撮っておこうと考えて、それにはちょっと今土場が狭いので、少し片付けが進んでから・・・とか考えてしまうと、後に後になってしまい、狭い倉庫にも関わらずどの材をどこに置いたやら分からなくなってしまうのです。今回はその教訓を生かすべく早速作業。

 

20151020 4基本、生材ですので市場で引き取りの間数日保管してもらっている間に、木にもさまざまな変化が!外で保管されているモノは当然強い日差しや雨にも晒されるため、中には割れや反りなどが発生するものもあるため、なるべく早く引き取りするように心掛けているものの、配車の都合で時間がかかる場合もあります。その期間だけで発生したものではないでしょうが、時にはこんな『おまけ』が付いてくる事もあります!それでは明日から1枚ずつ寸検作業。明日に続く・・・




20150919 48月に完成見学会でお邪魔した『モート・レイニーハウス』。手掛けられたのは盟友でもあるジューサンケンチクセッケイ石村隆司君。若い頃からの長い付き合いで、飲める酒量から木の好みまで互いの性格もよく分かっているつもりですが、そのセンスは雲泥の差。いつもその斬新な木の選択肢や使い方には感心させられるのですが、そんな彼の元に集まられる施主さんもセンスの塊。先日もモート・レイニーハウスの怪しい主と共に弊社にやって来られて倉庫前で何やら怪しい密談。

 

20150919 1実は、弊社でダイニングテーブルを作らせていただく事になり、その材をお二人で選びに来られたのです。うちでは、素材からご自分の眼と皮膚感覚で選んでいただくところから家具造りは始まります。おもちゃ箱をひっくり返したような雑多な倉庫の中をあれこれ探索。時には、全部お任せします~なんて慎ましい事を仰る施主さんもいらっしゃいますが、私から言わせればこここそが家具造りの醍醐味!もっとも楽しい瞬間を放棄するなんてあまりにもモッタイナイ~と思うのです。

 

20150919 2そんな事を百も承知なお二人ですから、倉庫の隅から隅まで探し回って辿り着かれたのがこちらのパープルハート!文字通り紫色の肌を持つスーパーレアな木。断面をカットすると濃い茶褐色ですが、空気に触れると紫芋のような鮮烈な色に変化していきます。これだけ強烈な色彩ですから、なかなか普通の家では収まりきれない個性的な木で、主戦場は商業店舗などでしたが、そういう木だからこそこういうお方に挑戦していただきたい!と石村君と二人で煽りまくります~。

 

20150919 3当初はさすがにこれだけ強烈な紫色が自宅に入る事絵を不安視されていたものの、これを受け入れる素養があると分かっていたふたりの思惑通り、最終的に紫色の誘惑に飲み込まれ、パープルハートでダイニングテーブルを作る事に!建設関係の仕事に従事されていらっしゃる関係で、友人の鉄工所でアイアンの脚を制作する事になり、紫色と漆黒のコンビネーションの仕上がりが今から楽しみ~♪ その勇姿は後日完成後に改めてご紹介させていただきます。




20150918 13年前にも受け入れさせていただいたのですが、地元の中学2年生生が行う職業体験学習で今年は弊社にも申し込みがありました。いろいろな職種で、それぞれが希望した仕事を2日間体験するというものです。3年前にも同じような事を書きましたが、この世に数多ある仕事の中でも、材木屋というのは結構レアな仕事だと思っています。子どもたちの通う中学校(およそ500人)ではクラスどころか学校全体でもお父さんが材木の仕事をしている人って、恐らく私ひとりかと。

 

20150918 2松山城を中心に考えてザックリと全体を東西南北に分けると、弊社は「城北」という事になるのですが、城北地区でみても材木屋及び製材所は10件にも足りません。以前は弊社の近くにも製材所がありましたし材木屋も幾つかあったものの廃業や倒産などですっかりその数が少なくなってしまいました。もはや国道沿いで製材所が操業するのは非常に困難な状況。弊社が創業した当時の写真を見ると周辺には何も無いような場所でしたが、今や周辺にはビッシリ家が立ち並んでいます。

 

20150918 3家の構造部分についてだけでなく、多くの部材がプレカット工場から直接現場に届けられるようになった昨今の流れの中で、材木屋という仕事がいつまで残っていけるのか大きな不安を感じています。遠い将来どころか、既に『業態的な変革期』を迎えていて、それぞれの材木屋がどういう生き方をしていくのかという選択を迫られています。特殊な耳付き板や家具など扱いが増えている弊社の事を、先見の明があったなどと言ってくれる同業者がいますが、それはとんでもない話。

 

20150918 4別に先を見越して仕事の内容を軌道修正してきたわけではなくて、それが好きだから続けてきただけの事であって、10数年経ってみればたまたまその選択が悪い方向に共感してくださる人が多かったというだけの事。結局、誰に何と言われようとも自分がしたいと思う事しか継続出来ないし、そうでなければ日々の仕事に楽しみも喜びも感じられないというのが私の結論。そんな偏屈材木屋の仕事を通じて、子どもたちに何か伝えられる事があれば。とりあえず月末の本番に向かっての打ち合わせ終了。




本日は和歌山県からお客様がご来店。一度も行ったことがない私が言うのも何ですが、材木屋としては一度ぐらいは行っておくべき、木の神様を祀る神社が和歌山県和歌山市にあります。その名は『伊太祀曽(いたぎそ)神社』。『日本書紀』には、沢山の樹を植えて緑豊かな国土を作った五十猛命(いたけるのみこと)という神様の事が記されているそうですが、伊太祁曽神社にはその五十猛命をお祀りされています。ご来店されたのはその伊太祁曽神社の神主・奥重貴(おく・しげたか)さん。

 

今年の6月に松山市で開催された日本木材青壮年団体連合会の全国会員大会で久しぶりにお会いして以来の再会ですが、不思議と奥さんは愛媛にご縁があって、今回で今年3回目の松山だという事。『ムー派』な私としては、こういうご縁っていうのは偶然とかではなくて、何か必然性があって引き付けられているのではないかと思うのです。事務所が大リフォーム中で片付けもままならない雑多な中で、まずは木のおもちゃで頭の体操に取り組んでいただきます。

 

20150917 3奥さんとは木青連とのご縁で知り合って、かなり早い段階で【森のかけら】もご購入いただき、参拝者の方の待合所に置いていただいています。奥さんの家系は代々神主で、直接的に材木屋の仕事をされているわけではありませんが、木の神様を祀る神社という事で、木の仕事を生業とする材木関係者の会である日本木青連の大阪会団の扉を自ら叩いて飛び込んできたという行動派。ハード面の話ばかりが先行する業界において、木と日本人の関わりや由来などを語れる稀有な存在

 

木を語る熱情は材木屋以上!材木屋が木の特性を語る際の鉄板ネタに、『素戔嗚尊(すさのおのみこと)の話』(スサノオノミコトが抜いた髭はスギになり、胸毛はヒノキに、尻毛はマキに、眉毛はクスノキになり、スギ・クスノキは舟の材料に、ヒノキは宮殿の材料に、マキは棺桶にするようにと木の適性を説かれた)がありますが、伊太祀曽神社ではその話を子供にも分かりやすいように絵本、にして木の啓蒙にも努められていますが、絵本をそのプレゼントしていただきました。

 

20150917 5そのような伝承などからも、スサノオノミコトは紀伊の国(木の国)の地方神であったのではという話もあるなど、和歌山県は今も県土の77%を森林が占める森林大国であり、その豊かな森からは『紀州材』などのブランドを生み出しています。今回、奥さんがわざわざご来店いただいたのは、木にまつわるあるプロジェクトの打ち合わせのためです。今はまだ詳細は紹介できませんが、ミカン大国として比較される事の多い両県で、次は木にまつわるモノづくりが出来ないか思案中〜♪




20150916 1さて、本日も木材市の話ですが、値付だけをして、『買いつなぎ』をお願いするというのは、スポーツの試合を録画で見るというぐらい臨場感の乏しいものです。それでも、それをお願いできる仲間がいるという事はとても心強い事ですし、そういう仲間がこそがいざという時に材を融通させてくれる大切なネットワーク。回転率が悪い事では自身のある弊社としては、生材を仕入れて、その仕入を忘れるぐらいまで天乾で乾かして売るため、買った材のデビューは早くても1年後

 

遅いものだと5年、10年というのも珍しくないため、非常に経済効率は悪いのですが、その間にまずは自分がその材を味見出来るという役得もあったりするのです。今回の市で、初めて『シンガポール・マホガニー』(以後SPM)という木に遭遇。平野木材の社長にお聞きするところによると、文字通りシンガポール産の木で、特徴はアフリカ産の『アフリカンマホガニー』によく似ていているものの、安定的な供給が可能との事。マホガニーとの関係性はこれから調べます。

 

世界三大銘木に数えられるマホガニーですが(本来その冠を付けられる中年米産の『ホンジュラスマホガニー』はワシントン条約で保護されています)、実は私はあまりマホガニーに対しては強い思い入れがあるわけではありません。上品で整った杢目よりも、ゼブラウッドのような猛々しい荒い木目に惹かれるので。そうはいっても世界中の木を見てみたいと思う木材樹種フェチとしては抑えておかなければならない一族。それで割と幅が狭くて手頃な値段で買えそうな材を幾つかリストアップ。

 

そもそもマホガニーって言っても、本家本元の中南米原産の『ホンジュラスマホガニー』を筆頭に、『アフリカンマホガニー』(コートジボアール産Krala)や、それとは別に『サペリ』をアメリカンマホガニーと呼ぶこともあるし、『チャイニーズマホガニー』(チャンチン)や『ソロモンマホガニー』など商業名としてマホガニーの名前を冠された木が多数あって私も混乱していて、プロでもその見極めは容易ではありません。とりあえずSPM、いかなるものかまずは自分で味わってみます。個別の樹種の紹介は後日改めて。




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