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昨年より、愛媛県の「えひめ中小企業応援ファンド活力創出産業育成事業」の採択を受けて進めて来た『高付加価値型建材開発及び市場性に係る研究調査』もいよいよ最終段階に入りました。言葉で書くと堅苦しい内奥のように思われるかもしれませんが、内容は『モザイクボードの開発と市場調査』です。広葉樹と針葉樹の強度や剥離の比較試験を経てモザイクボードの科学的な精度の裏付けや、家具の試作などにより、『売れるための商品開発』を探ってきました。
その一環として、カットサンプルの送付によるアンケート調査を実施しました。無垢材の新たな活用に理解のあるさまざまな分野の方々50人にアンケートを依頼しご解答をいただきました。関係者の皆様にはこの場を借りまして厚く御礼申し上げます。お陰さまで大変貴重で有意義なご意見を数多くいただく事が出来ました。アンケートの結果は、今後の商品開発にしっかりと役立たせていただきます。今回のアンケートの結果で幾つかの「モザイクボードの指針」がより明確になりました。
アンケートの結果についてここでは詳しくは触れませんが、少し意外だったのは広葉樹だけで製作する『モザイクボード』㊨だけでなく、針葉樹・広葉樹混仕様㊧版について好意的なご意見が多かった事です。広葉樹オンリーの『モザイクボード』との比較というよりは、取り付けするシーンでのTPOを考えて色合いは地味ではあるものの針葉樹・広葉樹の柔らかさや落ち着いた風合いを評価していただいたものだと考えます。設定価格に対してもおおむね好意的なご意見をいただきました。
年内に報告書等を提出して事業終了の暁には、1月より本格的販売を開始する予定でいます。アンケートに際しては、県内外の設計士・デザイナーの方以外にもいろいろな分野の方からご解答をいただきましたが、お付き合いのある報道関係の方々からも、新商品の開発にあたって歓迎の声をいただきました。その内のひとつ、『日刊木材新聞社』さんも記事として取り上げていただきました。さあ、これからはドンドンPRして生産も軌道に乗せて、県内外へ、世界へ!『モザイクボード』旅立ちます!
本日は『ヨーロッパビーチ』を木取り作業。こういう現地で製材した挽き板の場合、フォークリフトで積める程度のボリュームに50~60数枚程度の板が入って1つの大きな梱包となっています。景気の良かった当時は、それほど輸入広葉樹が流通・定着していないここ松山においてすらも、小売レベルで梱包単位の商売が成立しておりました。工務店さんの倉庫に納品させていただいても、3,4現場あればすっかり消費するほど活発にモノが動いていました。それももはや懐かしい思い出・・・・。
今では、「必要な量を、必要な時に、必要な加工を施して納品」という形が定着して、小売レベルでの梱包単位の販売はほとんどなくなりました。しかしモノは考えようで、弊社のような「端材を活かすものづくりの出口」がある会社にとっては、むしろ大きな梱包を仕分けして販売するほうが格段に「地の利」があります。その際肝要なのは、どれだけ多種多様な出口を持っているかどうかという事。長さ、厚みが共通でも、幅、節の具合、色合い。コンディションなど見極めるポイントは幾つもあります。
ただ幅だけでより分けるのではたいして意味がありません。挽き材の広葉樹の場合、平面にどれぐらいの大きさの節やクラック(割れ)がどれぐらいあるかによって等級付けがされます。ヒノキやスギのように、4mにわたって無節で中杢なんていう事はほとんど無いのです。それでも数少ない無節は、テーブルなどの長いサイズが必要な天板や室内の造作材に。大きな節のあるモノは節でカットして短尺材として仕分けます。短くても木目の面白いモノは表情を楽しめる工芸品などに利用できます。
建築材・家具材以外のクラフト細工や玩具などの出口が広がった事で、5~6つもの用途に合わせて仕分けをしますので、不用な出口に過分な材を充てる事が少なくなりました。現場レベルでも極力ゴミは出したくないという要望もありますので、それも互いに合致するところ。そこから発生した端材は【森のかけら】や『森のたまご』、『森のこだま』などに活用しますし、このたび『モザイクボード』がほぼ確立したことで更に細い端材にも出口がつながりました。
自分が中身を確認しながら仕分けをしておく事で、どれぐらいの品質のものがどれぐらい在庫してあるかが分かるので、急ぎの見積りなどにもスムーズに対応できるようになりました(なったつもり?)。森の中で数十年も過ごしてきたわけですから、その生き様である枝の名残・節や入り皮、割れがあっても当然。それを拒むのではなく、きちんと向かい合って適正を見出し用途を探る事が材木屋の使命。それを果たすための更なる『出口』の得るために、さあ今日も種を蒔こうっ!
わが愛媛県には、愛媛全体がキャンパスで、愛媛に関わる人であれば誰もが参加できる『愛媛でいちばん広い大学・イヨココロザシ大学』という素敵な社会人の大学があります。学ぼうと思う時、知ろうという気持ちが在る時誰もが生徒、誰もが先生。世の中のいろいろな知ってる事、知らない事を人と縁でつなぐ、文字通り高いココロザシを持った学び場です。その大学で、昨年の10月に私めも講義をさせていただきました。その時の持ちネタは定番の『森の出口を見つける時間』。
受講いただく生徒さん、と言っても大学生から講師よりも年上の方まで幅は広うございます。その様子につきましては、以前詳しく触れさせていただきましたが、このたび『イヨココロザシ大学』さんより再びオファーをいただきました。学内で『WONDER EHIME』という新たなプロジェクトが立ち上がり、愛媛県自然保護課と共に「内なる生物多様性事業」を実施するというもので、県内各地で200回の授業を実施されるとか。パワフルです!その一環で、また私に無謀の矢が飛んで参った次第。
オファーの使者は、前回の講座の時にも聴講していただいた授業コーディネーターの内藤正人さんと同・二宮那弥さん。内藤さんにつては体験者ですが、その経験を踏まえてなお『かけらの穴』に足を踏み入られる勇気!その無謀さには敬意を持ってお応えせねばなりません。最近「木の話を・・・」というご依頼を受ける事が多くなりましたが、依頼される方のほとんどがこのブログを熟読された上での決断なので、意味深な含み笑いを浮かべながらのご依頼。それこそこちらの望むところ!
そこからのスタートですと話も早いし、こちらの意向も意図も「人間性」も「かけら道」も相互理解・合意の上での事なので即決。さて、『WONDER EHIMEプロジェクト』の大テーマは「内なる生物多様性」!アカデミックで高尚な話など出来ようはずもありませんが、「多様性」と聞いては、『多様性の集合体・森のかけら』の作者として語らねばならない事も沢山あります。なぜ『森のかけら』は、240種の中から好きなものだけバラ売りしないのか?なぜ全樹種から内装材や家具が作れないのか?なぜただの杉と屋久杉が同価値なのか?木の好きな人からしても不条理とも思える『かけらルール』について、紐解きながらかけら流多様性を語らせていただく予定です。講義の内容の幅を拡げるためにも、こちらも勉強!精一杯務めさせていただきます。日時・場所など詳細は後日アップ致します(来年の1月開講予定)。
毎年の事ですが、年末は新築現場の竣工が重なり、家具の納品がピークを迎えます。残りわずかとなった今年も、短期間で家具の納品が集中していて不安ですが・・・そう言いながら毎年何とか修羅場を乗り越えてきております。その経験が、根拠の無い確信となっていて自分を支えているのですが、予想外の雨・雪だけが心配です。納品の際だけではなく、寒くて温度が下がる塗料が浸透して乾燥するのに時間がかかり、塗装作業にも支障をきたしてしまいます。
当然、納品の際も晴天にこしたことはないのですが、全てがそうはうまくいかないのが世の習い。万事を尽くして天命を待つしかありません。さて、本日はその家具の塗装作業。『オニグルミ』のダイニング・テーブルを塗装しております。こちらは北海道産のオニグルミ。オニグルミはクルミ科の広葉樹で、他のクルミ科の仲間と同様に滑らかで狂いが少なく家具の材料として好まれています(スキーの板にも使われる、堅くて弾力性のある『ヒッコリー』という例外はありますが)。
淡い茶褐色のオニグルミは、生地のままだと木目も不明瞭でとぼけた印象ですが、植物性オイルが浸透すると途端に深みが増して、表情に奥行きが生まれます。左が無塗装の状態、右が植物性オイルを塗った直後の状態。並べて比較すると、色合いの変化がよく分かると思います。この後2日ほどかけて乾燥させた後、オイルによる毛羽立ちを押さえるためにサンディングして再度塗装して、最後に蜜蝋ワックスを塗って完成という事になります。後半は乾燥との戦いとなります。
オニグルミは全体の印象が柔らかいので、私としては『節』や『白身』などの『個性』も少々加味してやった方が材にメリハリが出て、材にナチュラル感と力強さが出るのではないかと思います。同じクルミ科でもブラック・ウォールナットとはひと味違った温もりある触感。素朴な色合いに惹かれる方も多いのですが、この辺りでは流通量が少なく一般の方の認知度が少ないのが残念です。ちょっと控えめながらいぶし銀の味わいがあるオニグルミ、親近感の湧く『出口』を探ってみます。
この数日の寒波の影響で、すっかり紅葉も散ってしまいました。弊社のモニュメント・ツリーの『栃』の葉もすっかり落葉。それでも今年は、松山には台風の直撃もありませんでしたので、結構長い間紅葉を楽しめたのではないでしょうか。過日の『えひめ・まつやま産業まつり』の頃が市内の紅葉のピークだったように思います。会場となった城山公園では、銀杏をはじめ赤や黄色の紅葉(黄葉)が美を競っておりました。中でも銀杏の黄色はとりわけ群を抜いた鮮やかさ!
落葉した葉に混じって銀杏の実も沢山転がっています。沢山の足に踏みつけられ、銀杏独特の鼻をつく匂いも立ち込めます。この匂いがどうにもこうにも受け入れがたいという人もいらっしゃいますが、私は茶碗蒸しのギンナンや塩揚げも大好物ですので、まったく気にもなりません。さすがに転がっているいるギンナンを拾う方はいらっしゃいませんでしたが、これだけの鮮烈な「黄色」がそのままゴミになってしまうのは、毎年の事とはいえどうにもこうにもモッタイナイ・・・何とか活用できないものだろうか・・・。
この季節、毎年同じような事を書いているようにも思いますが、この黄色を染色として利用するか、粉砕して固めて何か使えたら、素材は無尽蔵。足元が黄色く染まってから、ああそういえば今年も銀杏の葉をの利用方法を・・・なんて考えるのですが、喉もと過ぎれば何とかで、その気持ちが継続しないのが欠点。しかしそういう意識を持つことは大切だと思うのです。銀杏は街路樹としても市内に沢山植えられていますが、1年にうちでももっとも銀杏が街の主役となる季節がもうすぐ終わります。
『えひめ・まつやま産業まつり』の2日目は双子の次女と長男もお手伝いに来てくれていました。少し前まではこういうイベントには必ず家族全員で参加していましたが、子供達もそれぞれに部活や習い事をするようになり、なかなか5人全員のスケジュールを合わせるのが難しくなってきました。まあ、手伝いとはいっても少しの間だけブースに居たら、後は切れた風船のようにどこかへ飛んで行ってしまうのですが・・・まあ、それも子どもにとってイベントの楽しみであり、参加する糧でもあります。
幸か不幸か、BtoBの建築資材供給材木屋からBtoCの一般消費者に木材商品を販売する木のもの屋の形態にまで幅が広がったお陰で、子供達は物心ついた頃からこういうイベントにくっついて来る事に違和感がないようです。親の働く姿を間近で見て、その雰囲気や言葉のやり取りを肌で感じるという事はそれなりに大切です。私の場合、自ら父親に頭を下げて会社に入社し、若い頃から現場を任され跡継といいながらも、好き勝手にやりたい事をやって、作りたいものを作ってきましたので、息子にこの仕事の後継をという気持ちはあまりありません(今のところは・・・)。こういうイベントなどを経験して、木の仕事に関わらず、仕事の面白さでも感じてくれればと思うのです。興味の芽が生まれ始めたのか、ふたりで仲良く面白い落ち葉探し。手をつないで歩く後姿は微笑ましく、ささやかな幸せを感じずにはいられません。
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