森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTUREいつもお世話になっているお取引の工務店さんの研修旅行で、業社会のメンバーと共に有馬・姫路方面に行って来ました。若い頃はこういう集団行動が苦手でしたが、非常に安定感のある気兼ねすることのないメンバーばかりという事もあって、リラックスして楽しませていただきました。実は一昨年に町内会の役員会で行った研修旅行のコースとほぼ同じコースでしたが、一泊二日で行ける研修旅行コースというのも限られており、回を重ねるとどうしたって同じような所ばかりになってしまいます。

 

Exif_JPEG_PICTUREその中で初めて行ったのが、「阪神・淡路大震災復興記念館 人と防災未来センター」。あの震災の復興を記念して建てられた施設で、震災の記憶を風化させないために記憶し学ぶための施設で、追体験できる設備などもあります。早いものでもうあれから19年。他にも東日本大震災をはじめ歴史的な大規模震災などの記録もありましたが、かの関東大震災は、今から91年も前のこと(大正12年9月1日発生・M7.9 死者行方不明者約10万人)。私には身近であった芸予地震からも13年(2001年)が経過。

 

20140420 3ちなみに記録によれば、記録に残る日本史上最初の地震としては、西暦416年に大和国・遠飛鳥宮(現奈良県明日香村)で発生した地震が、日本書紀に残っているもっとも古い地震だそうですが、それは今から1598年前のこと。それから現在まで日本は数多くの巨大地震に襲われながらもそのたびに力強く蘇ってきました。愛媛は、近い将来発生するのではと言われている東南海地震のリスクが高く、他人事ではないのですが、安穏とした日々を送っているとついつい危機意識も薄れてしまいます。

 

Exif_JPEG_PICTURE終の棲家である「住宅」産業に携わる者のひとりとして、建物や道路が崩壊していく光景には強く心を痛めます。少し前に愛媛でも地震があった時には倉庫の在庫が崩れてないかと冷や冷やしたもの、喉元過ぎれば暑さを忘れてしまう悲しさ・・・反省せねばなりません。東南海地震の際に予想される津波の高さが壁に記されていましたが、その高さ最大で15m!自然の前にひとはどこまで真摯になるしかないのでしょう。この後、有馬に向かうのですがそこで悲劇が・・・!

 




Exif_JPEG_PICTURE物事には目に見えない周波数のようなものがあって、共鳴し合ったり引き付け合うのかなあと思う事がしばしばあります。たまたまモノの巡り合わせみたいなものかもしれませんが、欲していた材の話が突然数か所から一度に舞い込んできたり、初めて会った人が実は数珠つなぎに繋がっていたりだとか。先日、シキミやグミなどの小枝の話をアップしましたが、今度は近所の造園屋さんから「大きめの庭木を伐ったのだけでいらない?」とお声をかけていただきました。それがまたちょうど探していた木!

 

 

Exif_JPEG_PICTURE早速現地に見に行きましたが、庭木だと思ってなめていたら予想以上の大きさでしたので、急遽弊社まで運んでいただき短くカットしてもらう事に。クロガネモチカイヅカイブキヒイラギです。それぞれ少しは在庫があるものの、木材市場では流通していない木ばかりなので、こういうご縁で確保しておかないといつ手に入るか分かりません。しかも、その後は気長にじっくりと天然乾燥させるので、実際に材として使えるようになるのは1年ぐらい先の話。それを見越しての「仕込み」となるわけです。

 

 

Exif_JPEG_PICTUREこの後は、すぐに割ってしまわないと芯から放射状に割れてしまって何にも使えなくなってしまいます。なので早めに用途を決めて必要サイズに割ってしまう事が肝心。魚でいえば「活け締め」みたいなものでしょうか。以前はこうして手に入っても、とりあえず【森のかけら】用サイズに挽き割っていました。しかし、このところ240種のリスト以外の材が手にはいることも多くなりました。このヒイラギなどもそうです。また量が多いと、その樹種のかけらばかりになるので最近は狙いを変えています。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE「かけら」のように樹種が限定されていなくて、それぞれで商品価値があるものということで、『森のりんご』に力を入れています。それだけでペーパーウェイトににもなるぐらいの重さが理想なのですが、いろいろ並べて見ていると、やはり種類が多い方が楽しそうなので、プレミアムな路線とは別にそれぞれの樹種でも作ってみようかと考えているのです。そうなると、『ヒイラギのりんご』やら『シキミのりんご』、更に『ミカンのりんご』、『モモのりんご』なんてものまで生まれてくるわけです。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE言葉だけ聞くと何が何やら分からぬ世界ですが、【森のかけら】のキューブ感とは違う曲面の触感も病み付きになりますぞ!今回ご縁があって弊社にやって来たこれらの「新入生」たちの顔を見ていると、1年後にどういう変身を遂げているかが楽しみでなりません。初々しい彼らもやがては、倉庫の牢名主のような存在になってしまうのか?そうはならないように早めに「卒業」させてやらねばならないとと思ってはいるものの、まだまだ倉庫の奥には別れが名残惜しい留年組が沢山控えておりまして・・・




20140418 1シキミの木についてもう少し補足。シキミは、漢字で書くと『』と表わしますが、これには諸説あるようで、代表的なものとしては、昔弘法大師がこの木を密教で供養に使っていたことからこの密という感じが当てられたというもの。平安時代になって、シキミの枝や葉を仏前にも備えるようになったので、木編に旧字の仏をつけて『』と表わすようにもなったそうです。現在では、一般的に樒の漢字が使われています。この樒という漢字は中国から鑑真和上が日本にもたらしたという尊いものだとか。

 

Exif_JPEG_PICTUREそのシキミですが、墓地や仏壇に供え花として用いられることから『ハナノキ』の別名もあります。一方で、毒気のある木としても有名で、花や葉、実、根から茎にいたる全てが毒!特に、種子に有毒の成分が多い為。「悪しき実」とも言われ、そこから「アシキミ」→「シキミ」と変化したとか。神事や仏事にも用いる木に毒があるとは何事かと思うかもしれませんが、それはシキミが特有の香気を持っていて、その毒によって毒を断つ、香気で毒(悪)を浄化する力があると考えられていたからだそうです。

 

20140418 3古い歴史書においては、墓前に清浄なるシキミを供えておけば獣が畏れて墓をあばき人の屍を屠ることがないとか、山近い畑にて猪や猿の類が畑の作物を荒らさぬようにシキミを植えておくとよい。シキミの枝を折って蓋として芋などの上に置いておくのも有効だ、シキミの匂いを狼が嫌う等々の記述もあるようで、古来よりその香りは広く知られ、悪霊や獣を避ける香木としても使われていたことが分かります。また、その葉や樹皮を干して粉末にすると、抹香や線香などの原料にもなるなど実に有用な木です。

 

Vegetable howker.一方で「材」としての用途は聞いたことがありませんでした。そもそも材として使えるほど大きくなるとも考えてもいませんでしたが、調べてみると『陰樹』ではあるものの生育はよく、放っておけば7、8mぐらいには成長するのだとか!お供え用として低木で葉や枝を摘んでしまうためか、あまり大きなシキミを見たことがありませんでした。径は小さいものの、県内でも念珠や傘の柄、天秤棒などに使われることもあるようなので、とりえあず魔除けの木いかなるものか使ってみねばなりません。

 




Exif_JPEG_PICTURE先日久万高原町で『森の小枝』を仕入れてきました。ご覧の通り、およそ3トントラック1車分。こういうものを見ると、すぐに「こんなゴミみたいなもの何に使うのか?」などと口走る輩がおりますが、ものづくりは発想と想像力。これだけの『素材』を見ても、使い道が薪ぐらいしか思い浮かばない方には、こちらがどれだけ熱く思いを語っても虚しいだけ。雑多に積んではありますが、実は数種類の木がきちんと分類されているのです。人との出会いも一期一会ですが、木との出会いだって一期一会です

 

Exif_JPEG_PICTURE今回手に入った小枝は、シキミ、カキ、グミ、ネジキ、ウメといったなかなかレアな顔ぶれ!【森のかけら】については、印刷物等の関係で一応日本120種、世界120種の合計240種で集約しまいましたが、その240種をセレクトしていた頃はまだまだ木材市場や木材仲間からのネットワークだけが頼りでした。なのでおのずと建築・家具市場が求めているような、一般的な材に偏ってしまい、レアな材はたまたまご縁があって運よく手に入ったという感じでした。今思えば綱渡りの供給線でした・・汗。

 

Exif_JPEG_PICTUREこの小枝たちは、【森のかけら】に加工するには小さすぎるので別の用途に使うのですが、中には本当に小さな小枝もありますので、大きさや形状に合わせていくつかの『出口』を用意しなければなりません。そのすべての出口が整っているわけではなく、これから整理してものあるのですが、私の場合は実際に『モノと対峙してから考える』タイプなので、まずは先に仕入れて、しっかりと実物を見て、触って、アイデアを詰めていきます。中には芸術的としか思えないものもあったりします。

 

Exif_JPEG_PICTURE傍目には分かりにくいかもしれませんが、底のほうには割と大きめの『シキミ』もいくらか埋もれています。シキミといえばシキミ科の常緑広葉樹で、本州中部以南から四国や九州などに広く分布しています。この辺りでは神事や仏事にも用いる木として有名で、我が家や事務所でもお供えに使っています。そのイメージもあって、シキミでそんなに大きな木が得られるとは思ってもいなくて、【森のかけら】にも加えようとも考えませんでしたが、意外にもこれぐらい大きくなるのも珍しくないんだとか。

 

Exif_JPEG_PICTURE神事や仏事に使われる木としては、このシキミの他にもサカキ、ヒサカキクスノキなどがあります。いずれもが常緑樹で、常に青々とした葉があるところから『栄木(さかえぎ)』と呼ばれ、そこからこれらの木を総称して『賢木(さかき)』と呼ぶようになったようです。宗教などに絡むものについては言われもその数ほどありますので、それぞれの地域で説はあるのでしょうが、いずれにしても神事にまつわる厳かな木ですから、小枝といえどもそれなりに相応しい出口を形にせねば罰が当たります。明日はシキミについてもう少し・・・

 




20140316 1弊社では国内外のさまざまな種類の無垢のフローリングを取り扱っていますが、多くの場合そのフローリングに合わせて框(かまち)付け框、巾木、見切り材なども合わせて提案させていただいています。さすがにフローリングについては、自社で作るというのは難しいので、餅は餅屋に任せてそれぞれの工場で生産されたものを仕入れておりますが、框などについてはフローリングとセットで作っているところが少ないため現場に合わせたサイズ、樹種で個別に作らせていただいています。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE中には、フローリングは無垢でも框は貼り物(集成材)でも構わないという工務店さん、設計士さんもいらっしゃるので、そこはいい悪いの問題ではなく、それぞれの見解の相違。私としては、一連の流れで繋がる部分に関しては、樹種は違えども無垢材で揃えられた方がいいと思っているので、無垢をお勧めしますが、それとてどこまでこだわるのかの線引きはしなければなりません。何から何まですべてを無垢でするという事が必ずしもいいとも思っていません。予算も含めたバランス感覚が大切だと考えます。

 

Exif_JPEG_PICTURE基本的には、材料があればフローリングと同材で揃えますが、すべてのサイズに対して対応できるほど潤沢に在庫を持っておりません。よく出る樹種については、ある程度見越して仕入していますが、タイミングやサイズの問題で同材が揃わない事もしばしば。そういう場合は、フローリングと接して出来るだけ雰囲気を壊さないような色調で、ある程度の強度が保てる樹種で提案させていただきます。例えばメープルのフローリングであれば、イエローバーチ(カバノキ科)などもよく使う樹種です。

 

Exif_JPEG_PICTUREただし赤白の差が顕著な木なので、そこは色調を合わせることに神経を使わねばなりません。また、弊社ではフローリングを植物性オイル(オスモなど)で仕上げる事が多いのですが、框などについても塗装後の濡れ色の状態での色合わせを想定して考えねばなりません。イエローバーチも塗装前と後では随分、雰囲気が違って見えます(写真/上2枚無塗装、下2枚塗装済)。塗装してやや褐色になるもの、より色合いが濃くなるもの、赤身が強調されるもの、黄身色になるものなど木によって特徴はそれぞれ。

 

Exif_JPEG_PICTURE撮影時の照明の具合にもよりますが、イエローバーチは塗装するとやや赤身を帯びてきます。しかしこれでメープルと同じ色合いになるわけではありません。若い監督さんや設計士さんの中には何がなんでも同材でなければならないみたいな呪縛を感じている方もいますが、例え同材であっても、フローリングと框という形状による素材の木取りの都合上、色調がガラリと変わることはままあります。材さえ同じであればいいというのではなく、全体のバランスを考えて、材の特徴を活かした組み合わせをすればいいのではないかと思っています。あるものを無駄なく無理なく使う工夫も大切かと。

 




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