森のかけら | 大五木材


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随分と話が回り道になってしまいましたが、話を元に戻します。田舎育ちというと誰もが少年時代に川や野山を駆け回って、虫や小動物と共生して遊んでいたと思われるかもしれませんが、そんなわけではありません。素手で蛇や蛙などを掴んだりすることに何の抵抗もない、なんてのは偏見。田舎育ちでもインドア派な人間もいれば、蛇どころかバッタやセミすら触ることに躊躇する人間だっています、私のように。そんな私は実際に生きているリアル生物が大の苦手。幼少の頃、犬に噛まれたこともあって、仔犬すら苦手・・・。

そんな私ですので、材木の中に生息するカミキリ虫(特にミニミニモスラである幼虫)などは極力出会いを避けたいところなのですが、とはいっても大切な商売道具を喰われてしまっては大変なので、心では泣きながら感情を押し殺して虫の除去作業をしております。先日も、随分前に生材で仕入れして放置しておいたキリの耳付き板を久しぶりに引っ張り出したら、すっかり耳が虫に喰い荒らされてしまっていました。虫が穿孔したミニミニピラミッドそこかしこに乱立!

もともと他の材との抱き合わせで買ったもので、目的がはっきりして仕入れしたわけではないので、食害されてもたいした影響はないのですが、とはいえこのまま虫の餌食になるのを指を咥えて見ているわけにもいかず、泣き泣き除去作業。生材で樹皮が残っていた事が原因だったのですが、これがもし高価な材とかだったとしたら泣くに泣けません。キリは県内でも結構大きな材が出てきたりして、いくらか在庫もあるのですが出口(用途)がいまひとつ定まらず手に余している状態。

この食害をきっかけにキリの出口を考えてみることに。キリといえば、下駄や琴、箪笥(タンス)が有名です。広島県の福山市は有名な桐下駄の一大生産地で、かつては年間5,600万足もの下駄を生産していましたが、今や自宅に下駄がある世帯もほとんどないのが実情ではないでしょうか。また、下駄の素材としては、弊社のようなところで扱うキリ材なんどではとても対応できませんので、王道である出口以外の新たなキリの出口を模索するしかないのです。それで考えたのが・・・続く。

 




 思い込みとは恐ろしいもので、ウッドデッキに高耐久朽木材『マニルカラ』を使いさえすれば絶対腐らないとか・・・こちらの説明の中で、耳に聞こえのいい言葉だけが断片的に記憶に刻まれ独自の解釈をされてしまうことがあります。まあそれはこちらの洗脳が弱かったという事なので、もっと修行を積まなければならないと思うのですが、そのようなイメージによる思い込みの話です。例えば酒好きの多い四国の材木屋(四国に限ったわけではないのですが)では定番の思い込み。

 

20151220 2高知県のひとは誰でも滅茶苦茶酒が強い」というイメージ。全国的にはどこまで浸透しているイメージなのか分かりませんが、高知県赤岡町で毎年春先に開催される奇祭『どろめ祭り』の印象が強烈で、毎年報道されるその光景も、高知人は酒飲みのイメージに輪をかけていると思います。この祭りの中で、大杯に注がれた日本酒(男性一升、女性五合)を飲み干す時間を競うというイベントがあるのですが、優勝者は一升をわずか十数秒で飲み干すという豪快さ!

 

 20151220 3酒豪自慢が飲み比べを競うイベントではあるのですが、ちなみにある調査によれば『アルコール類のひとりあたりの消費量』では、高知県は発泡酒で全国1位、ビールで5位、清酒で16位、酒類合計で4位(2012年度調査)ということなので、やはり全般的には酒飲み県であるのでしょうが、だからといって高知県人誰でも大酒け飲みというわけではありません。弊社も隣県の高知の製材工場、材木店とのお取引が多いのですが、たまたま弊社の担当営業マンは下戸ばかり。

 

20151220 4それでも忘・新年会では、高知県出身者というだけで、きっともの凄く酒が強いんだろうという思い込みで酒を勧められつぶされた光景を何度も見てきました。もうそれは気の毒としかいいようのない・・・。ところで話が思い切り脱線しましたが、言いたかったのは高知県人のお酒の』話ではなくて、材木屋を悩ませる虫の話。このブログで何度も書きましたが、私はリアルな虫が苦手。田舎の生まれなら平気で蛇でも蛙でも手づかみできるんじゃないの?そんなわけないっ!(怒り)・・・続く。




20151219 1この数年来、ナラ・タモの価格が高騰して材の確保が難しくなっています。ナラ・タモとも、昔から家具材の定番として非常に人気の高い材でしたが、国産のナラ・タモについては良質材が少なくなって、その供給を中国ロシアなどの輸入に頼ってきました。それが昨年、中国政府から「中国黒竜江省及び大興安嶺全域における天然林伐採を全面禁止する」という通達があり事態は急変。その後を追うように、ロシア政府がワシントン条約事務局に申請を提出し、その管理下に

 

20151219 2これはロシアで横行する違法伐採が一向に減少せず、その伐採量が合法伐採に匹敵するほど巨大なブラックマーケットに膨れ上がっている現状を憂いての対応策だったのですが、それによって今後ナラ・タモを輸出入する際にはロシア政府が発行する許可書が必要ということになります。今まで違法伐採で利益を得ていた業者も、合法伐採のマーケットに入ってくることになるため、材の奪い合いが起きているのです。今後この傾向は一層強まっていくのでなないかと思われます。

 

20151219 3そういう事情もあって、弊社の周辺でも少なからずナラ・タモ不足問題が起きています。弊社でももともと平板、挽材としてはほとんどナラ・タモを使っていなかった(メジャーなモノにどうしても反発心があるひねくれ者なので・・・)ため、大きな影響はなかったのですが(ナラの代わりにホワイトオークを仕入れしていたため。タモについては不思議とそういう需要が周辺で少なかった)、フローリングやパネリングなどの製品が入荷量減少などと多少影響が出ています。

 

20151219 4現在弊社で仕入れしている広葉樹の平板、挽材は、ホワイトオークブラック・ウォールナット、ブラック・チェリー、ハードメープル、イエローポプラ、ヒッコリー、レッドオークなど多くが北米産のものです。以前はロシア産のナラも仕入れていた時期もありましたが、現在は中国産広葉樹は上記のような理由で供給が不安定で価格も高騰しているため、ほとんど仕入れをしていませんでしたが、先日珍しくタモ材の注文が入り、ちょぴりだけ中国産のタモ材を仕入れました。

 

20151219 5久しぶりにタモ材と再会。売れた残りを倉庫に立てかけましたが、その時改めて倉庫を見回すとひと昔前と状況が随分変わったことに気づきました。昔はヒノキ、スギなどの国産材の内装材(フローリングや造作材など)が幅を利かし、中国・ロシア産の広葉樹の挽材が所狭しと並べてありましたが、現在は北米・ベトナム産のフローリングと北米・県産の挽材が主流に。世界の経済事情のパワーバランスの推移の一端が、こんな小さな材木屋の倉庫の中にも反映されるものです。




1年のうち何度か突然に全国から問い合わせが集中する木があります。それが、『シガーボックスシーダー』の別名を持つブラジル産のセンダン科の広葉樹・『セドロ(CEDRO)』。その別名からも分かる通り、高級葉巻ケースとして愛煙家から強い支持を受けています。害虫への対抗性が強く、収納した葉巻に対する香りづけの効果もあること、またこの木の持つ調湿性が葉巻に絶妙の湿り気を与えるなどの点から、葉巻ケースには最適の木材として、セドロの代表的な用途の1つとされています。

私は煙草を吸わないのですが、愛煙家向けの雑誌やメディアで時々葉巻特集などが組まれた時に、合わせて葉巻箱も紹介され、そこでセドロの名前が取り上げられるのだと思います。それで、腕に覚えのあるクラフトマンの方々が、では自分で葉巻箱を作ってみようかということになって、ネットなどでセドロがどこかで売ってないかと調べられるのでしょうが、全国にあまたある材木屋の中でも、セドロ材を扱っているところは決して多くはありません。それで弊社に辿り着かれるという流れ。

弊社も大量にセドロ材を在庫しているわけではないのですが、厚み35㎜の挽き板がまだ幾らか残っているので、それであれば一般の方にも直接小売販売させていただいております。趣味で葉巻箱を作られるような個人のクラフトマンの方だと、2mサイズの板が1、2枚もあれば充分ということで、少量の販売でも対応できる弊社にお声を掛けていただくことになるのです。それで年に数回時を合わせたように全国各地からセドロ材への問い合わせ、ご注文が殺到することになるのです。

 

それは1年だけのことではなく、この数年間毎年のように降って湧いたセドロブームが起きるのです。それだけセドロという材が希少だということと、1枚から小売りしてくれる材木屋が少ないということなのだと思うのですが、こういう形で注文が重なる木って非常に珍しいのです。そんなセドロにこの間もご注文が舞い込み、また数枚が全国各地に散っていきました。葉巻箱に使うような薄い板だけでなく、カウンターサイズの大きなセドロもありますので、葉巻箱以外の出口も募集中!




20151216 1 夏に岩手から大先輩であるマルヒ製材日當和孝さんがお越しになられたという話をアップしましたが、それは日當さんも所属されていらっしゃるNPO法人『才の木(さいのき)』が関東で実施される『出張木育』で、家内とおはなし屋えっちゃんこと武知悦子さんに具体的な木育のプログラムを実践して欲しいというご依頼でして、その後二人は何度か群馬県前橋市に1泊2日の日程で出張して、集まられた現地の幼稚園や保育園の先生方と木育活動のお手伝いに取り組んできました。

 

その出張木育は家内と悦ちゃんが担当させていただき、この後もまだ続くのですが、今回はそれとは別に『才の木』のメンバーである大学の先生方が弊社にご来店されました。それまで私は、日當さんと家内たちとを繋ぐ役割だったのですが、今回は今まで主に東京や京都で開催してきた『トークカフェ』を地方で開催したいということで、その開催にあたって候補地の1つとして考えている愛媛の木材状況などを知りたいというお尋ね。具体的には後日理事会での協議後の話となります。

 

さて固い話の後は、折角愛媛にお越しになられた先生方と地元の愛媛大学の先生方との交流も兼ての懇親会。今回ご来店いただいたのは、才の木の専務理事・事務局長である竹村彰夫准教授(東京大学)、理事の高部圭司教授(京都大学)、専務理事の市田憲さん。そして愛媛大学農学部からは伊藤和貴教授、小林修准教授、杉本宏行准教授も加わっていただいたのですが、才の木の高部先生は、小林先生が北海道大学時代の指導教授であり、杉本先生が京都大学時代の恩師。

 

20151216 4いう事で恩師との懐かしい再会を記念して3人でスリーショット。昼間は弊社の二階で真面目にアカデミックな話を展開されていらした先生方と同一人物とは思えないほどに弾けられた先生方の人間味に触れながら楽しい懇親会が繰り広げられました。ちなみにトークカフェとは、回ごとにテーマを設けて各スピーカーより30分程度の話題提供をして、その後文字通りカフェを楽しみながら木の話をするというものですが、具体的に内容が決まれば改めてご報告いたします。




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