森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
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現在弊社で取り扱う木材の多くは建築用材や家具用材ですが、中でもフローリングやパネリングなどの内装材、テーブルやカウンターなどの耳付き板や平板がメインで、柱などの構造材や梁や桁などの横架材の在庫はほとんどない状況です。プレカット流通が主流となり、私にとってはそれらは小さな材木屋の小さな倉庫に無理してまでストックしておくべく材ではなくなったとの認識なのです。経験と知識のあるプロの材木屋の手を介さなくとも流れる材はその流れに身を任すに限る。

 

20151226 2そう言うと、大五木材は在来建築に興味を失った、もう在来住宅の仕事をする気がなくなったのかと思われるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。しかし、プレカット工場と工務店とのダイレクトな流通が出来上がってしまうと、構造材の流通においては小さな材木屋が介在する意義が失われ、またその存在意義を発揮する場面もなくなってしまっているのも現実。かつては毎月何棟も棟上げの材を現場に運んでいたものの、今ではすっかりそういう機会が激減。

 

20151226 3 だからといってそれを嘆いてばかりいても仕方がありません。その分、商業店舗や躯体そのものには関わりはなくとも、無垢内装材や家具などを納めさせていただく機会が増えてきました。時代とともに仕事の内容そのものも少しずつ変化してきましたし、そうやってスーパーニッチな分野を切り開いていかなければ、弊社のような零細材木店は生き残っていけません。そんな状況ですが、時々は構造材を扱わせていただくこともあって、先日も久しぶりに棟上げの現場に材料納品へ。

 

20151226 4やはり大きな材を運ぶのは材木屋の本能として気持ちが高揚します。だからといって、やはりその場面には自分の立ち位置が見いだせないのも確か。工業製品として確立された分野において、偏屈材木屋に安住の居場所はないのかも・・・。そんな考え方だからその種の仕事を減らしてしまっているのですが、四半世紀以上も木の仕事をしてきて思うのは、これから先は自分が本当にしたい仕事をしていこうと思う事。今後どういう人と巡り合い、どういう木の仕事に携わっていけるのか・・・。

 




20151225 1 昨日からの北信越つながりで、金沢のイイモノをご紹介。平成6年の富山の全国大会に参加した頃には夢にも思いませんでしたが、【森のかけら】などを通じて今は北信越の方々とも実売があるようになって、当地からもいろいろな商品が入ってくるようになりました。本日はその中でも日頃からお世話になっている村本喜義社長の㈱ムラモトの新商品『能登ヒバ』のウッドデッキ材をご紹介。石川県の県木でもある能登ヒバについては、『今日のかけら』で取り上げさせていただきました。

 

20151225 3当地では『档(アテ)』とも呼ばれる石川県独特の造林樹種・能登ヒバには、たっぷりとヒノキチオールが含まれていて独特の爽やかな芳香があり、優れた耐湿性を持っていることが知られています。その特徴を活かして土台などにも使われることも多いのですが、村本さんのところでは、フローリングや羽目板、土台、下地材など自社で扱う厳選した能登ヒバに『匠能登ひば』という名前をつけてブランド化されています。その多様な能登ヒバアイテムの中にウッドデッキも含まれています。

 

20151225 4国産の針葉樹としては最強の耐久性を誇る能登ヒバの赤身を使ったウッドデッキ材です。よく一般の方が誤解して失敗されることが多いのですが、水によく耐えるといってもそれは赤身の話で、能登ヒバにしても白太(辺材部分)は赤身に比べると耐久性が劣ります。なので、浴槽や水回りなどに使う際には注意して赤身を選ばなければならないのですが、木の事ですからもともと赤身も白太も当然含まれています。そんな中で赤身で選別できるというのは、材が豊富な地元の強み!

 

早速村本社長にお願いして能登ヒバのサンプルを送っていただきました。宅急便の袋を開封すると鼻孔をくすぐるような爽やかな香りがぶわっと広がります。村本さんと出会う前には、他社の能登ヒバのフローリングなどをよく使っていたのですが、久しぶりの懐かしい香り。ないものねだりなのかもしれませんが、その地域限定の樹があるというのは羨ましい限りです。弊社で扱う、足の指の上にでも落とせば怪我必至のマニルカラのデッキ材に比べればその軽量感は超絶。

 

20151225 5一見すると対極的にあるように思われるふたつの材ですが、根っこにあるのは防腐剤や防カビ剤などの薬剤を使わずに、材の力だけでどれだけ長持ちさせられるデッキを作るかという点で共通しています。特定の同じ材を扱っているということだけが、理念を共有しているという事ではありません。その思いに辿り着くためのアプローチは、地域性や得手不得手、会社の規模や方向性などによっていろいろな形があると思います。そんな村本さんの思いの詰まった能登ヒバ、愛媛でも使わせていただきたいです♪




20151224 1昨日に続いて、木青連と北陸の話。今から20数年前にも北陸は富山の地でも全国会員大会が開催されました(第40回全国区会員富山大会)。平成6年のことでしたが、まだ20代であった私は中四国地区以外の会員との交流がほとんどなく、ましてや将来北陸の方々と取引するようなことになろうとは夢にも思わず、先輩方と観光旅行気分で参加しました。確かその時初めてサンダーバード( 大阪・京都と北陸を結ぶJR西日本の特急列車)に乗ったのだと記憶しています。

 

20151224 2まだ木青連に入って日も浅く、その組織や意義すらもよく分からないままでの参加で、言われるがままに先輩方の後ろを付いていくという感じで、大会そのものの記憶もかなり曖昧なのですが、移動時間に追われて観光どころか会場と駅の間をただ往復したぐらいの記憶しか残っていません。ただ、富山は昔から『北洋材の集積地』と言われるほど北洋材製材が盛んで、まだバブルの名残があった大会当時は、北洋材製材のビッグネームが大会誌に名を連ねていた覚えがあります。

 

20151224 3北洋材とは、ロシアのシベリア地方で産出され輸出される木材のことで、主にアカマツカラマツエゾマツなどの針葉樹を指していますが、東南アジアの南洋材に対比する意味で用いられています。2000年代に入ってからは原木だけでなく、半製品やフローリングなどの最終製品まで入ってくるようになり、外材の輸入量の1割を占めるほどまでに急成長するものの、ロシア政府による伐採規制や関税の不条理ともいえる極端な引き上げなどもあり、富山の北洋材製材は急速に縮小することに・・・

 

20151224 4そもそも北洋材の多くは、300㎜程度の小径木が主体で、日本では主に合板や製紙の原料にされることが多かったことから、昔は愛媛では北洋材は縁遠い存在でした。近年になってからは野縁や化粧材などさまざまな形状で北洋材が愛媛の市場にも参入してきましたが、関税の引き上げ以後、日本への原木の輸入が急減したことで、弊社における最大の影響は、【森のかけら】の原料(具体的にはロシアンラーチ)が入手しにくくなってことです。まさにバタフライ効果・・・。




20151223 1卒業したらもう参加することもないだろうと思っていた日本木材青壮年団体連合会の全国各地区持ち回りで開催している会員大会ですが、今年が中四国地区の順番で愛媛が受けたということもあり、曲がりなりにも地元OBとしてお手伝いを兼ねて参加させていただきました。そしたら全国各地からやって来られた先輩・友人・後輩たちから、当然ながら『見返り』を期待されるわけです。しかも来年は、北信越地区が担当で開催地は福井県。これはスルーできるわけがない!

 

20151223 2 愛媛木青協に20年ほど在籍させていただいておりましたが、その在籍期間中に開催された全国大会で唯一参加できなかったのが、北信越地区担当の金沢大会でした。その数か月前に父親が亡くなったために大会どころではなかったのです。愛媛の松末繁治氏が全国の総務委員長をされた時に、私を含め愛媛から5人が総務委員会として出向していました。その翌年が富山県の江守さんが全国の会長予定者ということで、富山・福井・石川から総務委員会への出向もあり仲良くなりました。

 

20151223 4その後、『森のかけら』を通じて福井県あわら市のエンドウ建材圓道忠雄君や、中西木材多田日出海 君、石川県金沢市の『ムラモト』の村本喜義館長などとも交流が広がり、不思議なほど北信越とのパイプが太くなってきています。ただの仲のいい友達を越えて、情報交換から実際の木材の取引まで拡がっています。ということで、福井の全国大会にはお邪魔させていただき、いろいろとお店を廻らせていただくつもりです。そのためにはまず御地の予習をしておかねばなりません。

 

それで、松山市内の二番町でたまたま見つけた富山直送の素材を調理する居酒屋『漁(すなどり)』へ。富山で修行された大将が、毎日富山から届けられる旬の鮮魚を味合わせてくれます。最近、愛媛の居酒屋でも見かけるようになってきたノドグロや『富山の宝石』とも呼ばれる白海老、ホタルイカなど海の恵みを堪能して、来るべき本番に備えておくことに。現役会員の頃は、会議と懇親会に追われて時間の余裕もありませんでしたが、卒業後の方がその恩恵を享受できています。




本日もキリの話の続編ですが、日本で一番軽い素材という特徴に立ち返ってキリの出口を考えた時に、あるひらめきが!ただし少々味付けに時間と手間がかかるので、まだこのブログではお知らせできません。材の出口を考えるときに煮詰まると、原点に返って先人たちが引き出して使ってきた材の特徴に立ち戻って考えるに限ります。その中から、今風に少しアレンジさせて物語が盛れるものがないのかを考えること。キリの新商品については、完成後改めてご報告させていただきます。

 

20151222 2ところで、私はリアル生物を触るのは大の苦手ながら、観察することには大いに興味があります。特に昆虫は沢山の種類があって、虫に関わらず同属の多様な種類を集めたくなる『種類コレクター』にとってはとても魅力的な素材なのです。自分で作るのは得意ではありませんでしたが、虫の標本には強く心を惹かれました。まあいわば【森のかけら】も同じような系譜に連なると思います。さて、そんな私の中で、「観るだけの虫」について覚醒させたのはある一冊の漫画。

 

20151222 3それが手塚治虫先生の『ミクロイドS』。綺羅星の如くヒット作のある手塚作品の中においては決してメジャーな作品ではないと思いますが、私は大好きでこれで(リアルでない)虫にはまりました。ちょうど雑誌に掲載されたものをリアルタイムで読んでいた世代(1973年少年チャンピオン連載)なので思いも強いのですが、長期連載が多い手塚作品としては単行本3巻にまとめられた中編で、個人的はもっと連載を続けて欲しかったので、子供心に残念だった記憶があります。

 

20151222 5内容は、蟻が異常進化した種族「ギドロン」が人間に牙を向くのですが、人間の赤ん坊をさらってきてミクロ化人間として改造されギドロンの奴隷として育てられた種族「ミクロイド」の中の心ある3人が、人類の未来を救うために理解ある人間と協力してギドロンと戦うというもの。後に手塚自身の手によってアニメ化もされましたが、かなり残酷描写や自然破壊に対する強い警告もあるメッセージ性の高い漫画に比べて、アニメはかなり甘ったるい味付けになっていてガッカリ。

 

20151222 4漫画の方が圧倒的に面白くテーマも深いのですが、40数年前に自然界からの報復を描き、それは今読み返してみてもまったく色褪せるどころか、ますますその危機は現実的になりつつあるのですからさすが巨匠の慧眼!この中で、人間側に味方するヤンマを追うのは、ギドロン側についた実兄のジガー。そのジガーを助けるべくギドロン側から5人(匹)の刺客がお供するのですが、そういうシチュエーションが大好きで、そのあたりにきっと【森のかけら】の原点があったのかと。




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