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私たちが子供の頃は、運動会といえば秋晴れの10月というのが定番でしたが、今時は夏休み明け早々とか遅くとも9月中に開催される傾向のようで、子供たちが夏の名残りの暑さの中で運動会の練習に汗を流しています。その中の障害物競技に使う器具のご注文をいただきました。端にボールを乗せて飛ばせる木製のシーソーです。材料の指定は無かったのですが折角の子供たちの晴れ舞台のご依頼だったので、倉庫の中をあれこれ探索
以前は1軒につき1本は出番があった杉の絞り丸太(床柱)、磨き丸太(玄関ポーチ柱)ですが、昨今ではすっかり出番もなくなってきました。久万高原町でもよく磨き丸太を作る光景が見られたものの、今は「磨き丸太・製造販売」の看板すら見かけなくなってきました。和室の減少は銘木業界に大きな痛手となりましたが、昔を懐かしんでいたところで仕方がありません。時代や生活様式に合わせた新たな『出口』を探っていかねば本当に必要の無いものになってしまうだけ。
本格的な床の間の材料である床柱、違い棚、床框、落とし掛けなどの部材は減ったものの和室が完全になくなったわけではなく、以前はケヤキの突き板が主流であった床板や地板ですが、最近では無垢の幅剥ぎの仕様でのご注文をいただくようになっています。シンプルな和室に形を変えたものの、その中でも無垢材の生き残る道はあります。むしろ以前が突き板の仕入れ品であった事を考えると、弊社としては自社の材料が出るようになったわけですから新しい需要。
そういう風に新たな需要も起きる一方で、昔に仕入れた磨き丸太や絞り丸太も過去の遺物として倉庫に残っています。中には傷がついてしまったり、色ヤケしてしまったものもあります。角材や板材と違って削り直し、磨き直しが効かない(厳密に言えば可能ですが、販売価格を考えるとコスト倒れになってしまうので)ために、そのまま埃をかぶってしまっているものも幾つか。そんな日の当たらない所で眠る絞り丸太に、新たな役割を担ってもらう事にしました。
クラス対抗の競技なので4セット+予備材が必要になります。シーソーの支柱を作るために搾り丸太の長さをカット。少々傷がついているB品とはいえ、私がこの仕事に就いた20数年前であれば1本5,6万はざらであった絞り丸太です。さすがに最初に鋸の刃を入れるときにはわずかなためらいもありました。新たな出口は何かを吹っ切らねば辿り着かないもの、まあそこまで大袈裟なものではありませんが、新しい価値観を確立させるには『覚悟』が肝心です。底を削って、触った時に痛くないように面をとって仕上げます。
杉の破風板を天板に加工して完成。手前の状態が完成形です。残念ながら自分の子供たちの学年の種目ではなかったので、本番に備えて練習しまくるという製作者の利を活かす事はありませんでしたが(!)本番では、子供たちに怪我のないように活躍してくれればと願っています。こういう形で、倉庫に眠る遺物たちに新たな活躍の舞台を与えていただく機会が最近増えています。木の振り幅は、我々が考えているよりもずっとずっとあるようです。やはり日々の観察は大切!
弊社で無垢のフローリングや造作材、カウンター、テーブルなどの家具を決めていただく際には、ご来店いただき、(まあ10数年も経過してすっかり傷まみれにもなっていますが、ショールームと呼ぶにはおこがましい)展示室が事務所の2階にありますので、そこで洗脳・・・いや、木の話を聞いていただきながら、ご要望もお聞きして、どこに何の木を使うおうかと夢を膨らませていただきます。実際の経年変化でどれぐらいの傷や汚れも出るというのも体感していただけます。
奥の部屋にもフローリングなどを貼って体験型の展示室にしていたのですが、今ではすっかり家内の扱う『木のもの屋・森羅』に主導権を奪われてしまっています。でも家族連れでお越しの際は、子供さんが飽きずに楽しめるコーナーともなっていますので、それもありかと。奥のスペースにそういうモノがあるとはご存じない方は、すっかり木の玩具にはまってしまい本来の打ち合わせが中断する事もしばしば・・・。それだけ木のモノは人の心を惹きつける力があるという事でしょう。
先日も、㈱コラボハウスさんとお施主さん家族との打ち合わせをさせていただいたのですが、その際に幼いお子さんが傍らの『幻の珍獣・ブタマジロ』と戯れている姿を、コラボハウスの福岡美穂さんが激写!まあモデル並みに顔立ちの可愛いお子さんでしたので、素敵な写真になっています(福岡さんの腕もGOOD!)。折角ですので、ここで使わせていただき、しばらくPRの出来ていなかったブタマジロについて改めて近況を報告させていただきます。今モデルさんが触っているのが子供のブタマジロで、その隣の大きめなのがお父さんのブタマジロ。この2匹は家族です。ここには映っていませんが、当然お母さんのブタマジロもいます。
このブタマジロ、とっても寂しがり屋さんなので1匹では悲しさのあまりすぐに病気になってしまいます。買ってみよう、いや飼ってみようと思われる心の広いお方は、最低でも2匹の親子ペア・・・出来れば3匹の父母子でお求めいただくのがベストかと。その形もいろいろで、尻尾があるのから無いのから、鼻の形が長いのから短いのからさまざま。背中の甲羅に亀裂のようなものが入っていても全然大丈夫!ブタマジロはとってもタフなので痛くもありません。
以前は、まるで柿渋を塗ったような赤っぽいブタマジロもいましたが、最近ではいろいろとお化粧したり、変わった色、いや皮膚のものも現れています。自然界の事ですから望んだ色のブタマジロに出会えるのは天文学的な確立ですが、もしも自分の望んだ色にブタマジロに出会うと幸せになるとの伝説もあります。是非強く願って、ご来店時に(私に聞こえるように)大きな声で望みの色を言ってみましょう!念ずれば花開くかも?!ブタマジロの詳しい生態についてはこちらをどうぞ!
この『わらべ館』、実に手が込んでいて唱歌のコーナーでは、実際の古き昭和の小学校の校庭や教室がかなりリアルに再現されています。外壁が板張りの校舎と、その前には二宮金次郎の銅像と桜の木(隣にコンクリートの円柱柱があるのは施設の構造上致しかたありませんが)。多少の違いはあっても、全国の古き昔の小学校の風景としては、鉄板の定番アイテム。私の通った小学校も木造校舎で、そういう世代にとってはたまらない懐かしさが込み上げてくるシュチエーションです。
それも今の子供たちにとっては、テレビドラマの『時代劇に出てくる風景』の1つと変わらないセットのような印象でしかないようです。なので懐かしいというよりはむしろ新鮮に感じるのかもしれません。私の通った学び舎も今度の小学校の統廃合によって、小学校の役目を終える事が決まっています。ずっと昔にコンクリートに建てなおされた為、厳密には既に失われてしまった思い出ではありますが、学校としての機能を果たさなくなるという事で2度目の喪失感を味わう事になります。
身勝手なノスタルジィかもしれませんが、幼き頃の象徴や思い出の場所が無くなっていってしまうのは本当に寂しいものです。一方で、田舎を離れた人間の郷愁は心の中でドンドン美化されていって、古き木造校舎も実際にそこで学ぶ子供たちに忍耐や不便を与えるものであっても、その改築や建て替えに異を唱えるものになってしまう事もあるので、身勝手な一方通行の思いだけで保護や不変を押し付けるものであってはならないとも思っています。
さて、再現された教室の中では早速子供たちが、学校ドラマよろしく先生と生徒に別れて学校ごっこ。昭和中期頃の小学校の再現という設定ぐらいかと思うのですが、椅子も机も木製で子供たちが座ったバランスから想像すると、実際に私たちが使っていた椅子や机もこれぐらいのサイズだったのでしょう。改めて観察するとかなり小さいです。しかも隣とつながっている「2コ1」タイプ。よくよく考えると、学校の教室から『木のもの』がすっかり姿を消してしまった事が検証できます。
隣のコーナーには実際に触って音を鳴らせる楽器のコーナーがあり、そこに『木琴』がありました。写真のものは、硬さの違う木の板を6枚並べて打音の違いを楽しむミニ木琴(でいいのかな?)。鳥取県は多くの著名な音楽家を排出していて、音楽の資料や展示も立派なものでした。その一環としてこの商品も展示されていたのですが、『五感で楽しめる素材・木』としては、叩いて(触覚)、聴いて(聴覚)楽しめる打音楽器というのは、木のものづくりという面からも充分に魅力あるツールなのですが・・・
端材を利用した商品作りが、弊社のオリジナル商品のコンセプトですが、皮肉なことにその商品アイテムが増えれば増えていくほどに、端材がだんだん不足し始めるという嬉しいような、困ったような事態が起きています。そもそもは、倉庫に溢れる端材を何とか有効に使えないかという事で、まさかその端材が不足するような『逆転状況』が起きるとは、商品開発を始めた頃には夢にも見ませんでした。では、その端材はどうやって生まれてくるのかというと・・・。
木材の場合、伐採した丸太を製材して板や角材にするわけですが、例えば精肉店の肉のように、お客さんからの注文を受けてその場で必要量をカットしてどうぞ、というわけにはいきません。建築にしろ家具にしろ『乾燥』しておかねば使うことが出来ませんから、事前にある程度規格化したサイズに挽いておいて、しっかり乾燥させてから販売することになります。それから、カウンターやテーブル、造作材など必要なサイズを取った残りが『端材』となるわけです。
主となるオーダーが無いと、端材は生まれてこないわけです。端材が少なくなってきているというのは、オーダーが減ってきているわけではありません。むしろ弊社においては、集成材などのシェアが無垢材に流れて、耳付きの1枚板をはじめ幅剥ぎ材など無垢材のオーダーは増えています。にも関わらず、端材が不足しているのは、『モザイクボード』など端材を使った商品の売れ行きが順調という事もありますが、現場での端材活用も増えてきたという事もあります。
例えば1枚板でテーブルを作らせていただいた残り材で、小さな棚板を作って欲しいとか、子供用のミニテーブルにしたい、表札にして欲しい、記念に残るようなものを作りたいなど、端材まで無駄なくしっかり使って楽しもうという傾向が浸透してきた事を実感します。モッタイナイという考え方に共鳴していただく方が増えた事は嬉しい事です。一方で現状を考えると、そろそろ『端材だけに頼り過ぎない計画的な商品づくり』も視野にいれていかねばとも考えているところです。
もうすぐ今年度も終わろうかというこの時期に敢えて販売を始めるのが、『森のかけら36』の新しい企画商品『設計士なら知っておきたい36シリーズ』です。あくまでも私の主観で選んだ、独断と偏見のセレクトですが、愛媛の偏屈な材木屋視点で「知っておいていただきたい木」を選んだつもりです。キッズデザイン賞の受賞を記念して作ったのが、『今だからこそこどもたちに伝えたい日本の木36』を作りましたが、予想以上にいい反響がありました。私は、240種ある木の中から好きなものをあれこれ悩みながら選び出すプロセスこそが楽しいと思っていましたが、そこまでマニアックではないものの木には興味があるという方の指針になったようです。それで気をよくして、第二弾、第三弾の企画商品を検討しておりましたが、このたびようやく完成しました。まずはこちらが、『設計士なら知っておきたい日本の木36』(¥15000/消費税・送料込み)。
そして、こちらが同じコンセプトの世界の木版『設計士なら知っておきたい世界の木36』。『日本の木36』が、青森ヒバ 赤松 板屋楓 一位 銀杏 蝦夷松 榎 槐 隠岐の黒松 鬼胡桃 桂 樺 榧 落葉松 木曽桧 桐 樟 栗 欅 椹 塩地 科木 神代欅 杉 栓 梻 土佐栂 栃 椴松 楡 橅 朴 水楢 水目桜 樅 山桜の36種。『世界の木36』が、アガチス アスペン アピトン アユース イエローシーダー イエローバーチ イエローポプラ イペ ウエスタン・ヘムロック ウエスタン・レッドシーダー ウリン オウシュウアカマツ カリン ケンパス サザンイエローパイン 紫檀 スプルース ゼブラウッド 台湾桧 ダグラスファー チーク ハードサイプレス ハードメープル ブビンガ ブラック・ウォールナット ブラック・チェリー ホワイトアッシュ ホワイトウッド ホワイトオーク ホワイトセラヤ マニルカラ メルサワ モアビ ヨーロッパビーチ レッドオーク ラオス松の36種。
いずれも全240種の解説書付きで、企画商品特別価格の¥15,000(消費税・送料込み)で、本日より販売開始です。この商品のコンセプトは、今さら人には訊けない木の特徴や色合い、質感を実際にじっくりと手にとって観察することが出来るというものです。図鑑やネットの画面からだけでは伝わりきらない、本物の質感や重さ、匂いなどを感じていただきたいと思います。建築現場における木の知識は、口伝で教わる事が多く、実際に触れてみないと材の質感が分からない事がたくさんあります。
使いたくても使う現場が無い。誰もがそういうジレンマを感じていることでしょう。そしていつしか年を重ね、後輩達に「先輩、OOという木について教えて下さい」なんて声をかけられる事も・・・!今さら人には訊けない木の特徴や色合い、質感を実際にじっくりと手にとって観察することが出来ます。その質感、重さ、色合い、小さなキューブは、材が木として森にあった頃の姿を蘇らせてくれる記憶装置。小さなかけらに触れるたび、設計士として知ってみたい、使ってみたいという欲求をきっと増幅させてくれます。
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